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小Lママpakeの日常生活&上海の思い出 (2006/08~2008/05)


by pake_93
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蟬的味道

体調悪くて実家に帰っていた友人に久しぶりに会った。

「話があるんだけど」と、呼び止められた。

「外でジージー鳴いてる蝉(chan2)って知ってる?」
「セミね。知ってるよ。」

「あれってずっと土の中に潜ってて、そのうち外に出て木に登って
背中から羽を出して飛んでいくんだよ。」
「うん、土の中で何年も生きて、外に出るとちょっとしか生きられないんだよね。」

ここまで話したところで、
別の人が彼に急用があり、呼ばれていった。
でもその前に「後で電話するから!」と言い残していった。

家に戻る途中、何故彼が急にセミの話をし始めたのか考える。
後で電話するって言ってたということは、
単なる世間話ではなかったということだ。
セミでも捕まえたので、息子にあげるとかだろうか?
セミがいっぱいいる場所を知っているから息子と捕りに行けということなんだろうか?

30分ほど経って、彼からの電話が来た。
「さっきはごめん。話が途中になっちゃって…。」





「実はさ、うちの田舎ではセミを食べる習慣があって、
僕も小さい頃、好きでよく食べてたんだ。」
「え…?食べるの?」

これはかなり予想外の展開。

「でね、今回田舎に帰って、おふくろにたくさん作ってもらって
持って帰ってきたんだ。冷蔵庫に保存してあるんだ。」

私は展開が予想外すぎて、頭がついていってない。

「セミ、好き?好きだったら分けてあげるよ。」
「え!?いや、好きも何も食べたことないから、どんな味か知らないし…」

頭、少しパニくりながらのささやかな抵抗。

「香ばしくて、高蛋白で栄養価が高いんだよ。」
私の状況など気付きもせず、彼は親切に勧めてくれる。

「食べたことないんじゃ、好きかどうか分かんないね。
じゃあ、あさって少し持って来るから味見してごらんよ。」
「え?でも…、あの…、食べたことないし…。」
「じゃあ、食べられるように調理して持って行くね。」
「あの…じゃあ…少しだけにしてね…。」

結局、セミの味見する約束をしてしまった…。
こういうとき、ガツンとはっきり意見を言えない自分が恨めしい。

後から日本人の友人に事の顛末を話すと
「なんで、『日本人はセミは食べない!』って言わなかったの!?」と怒られた。

だって、だって、
向こうも好意で言ってくれてるんだし…
食べたことないから、「嫌い」とははっきり言えなかったし…
セミを「食べる」という発想が頭から抜け落ちてたから、頭が混乱してたし…。

よーく考えれば、大連とかだってお蚕さん(蚕蛹)食べるんだし
セミ、食べてもおかしくないかも…。
ただし、大連時代は勧められても、カイコを食べるのは絶対に拒否してたけど。

成虫だと、パリパリしてるのかな…。
イナゴの佃煮みたいな味なんだろうか…?
(↑でも、これも食べたことない)
それともやっぱり幼虫でプニプニなんだろうか…。

今から、明後日がくるのが怖い。
彼が約束を忘れていますように…。
by pake_93 | 2007-07-17 04:08 | 中国・上海ガイド